2011.01.07

読了記録『アフターダーク』

20110107


大変遅くなりましたが、
あけましておめでとうございます。
自分の老後のための記録でしかなくなっているブログですが、ここで立ち止まってくれた方がいらしたとしましたら、今年もよろしくおねがいいたします。

相変わらずボチボチと村上春樹を読んでおります。

ここまで読んできて、この作品はちょっと村上春樹っぽくない印象でした。

個人から社会へ・・・といった感じかな。

これから『1Q84』へと進んでいくわけだから、まあ、そうなんでしょう。(あっ、私『1Q84』はまだ読んでないのですけどね。)

ストーリーというほどのストーリーがない小説なんです。(正直、こんなに長くなくてもいいんじゃ・・・)

ただ、読み終わってから内容を反芻すると、言い様のない不安とか恐怖が身近にせまっているような、それがどういうものかも解からないくせに、解決方法はやはり人とのつながりなんだろうなと感じさせられたり、、、不思議な小説でした。ちょっと戯曲を読んでいる感じだったので、映像で見たくなりましたね。


|

2010.12.22

読了記録『海辺のカフカ』

20101222
 
村上春樹、ぼちぼちと読み続けております。

(世の皆様が『1Q84』で盛り上がっているので、私も読んでみたいと思い立ち、その素地づくりのためにデビュー作から主だったものを読むことにしました。)

この作品、『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』に出てきたあの【世界】を感じさせながら、終盤にそれを確信させてもらって、ここまで読んできてよかったーって嬉しくなりますね。

内容的には、ストーリーを楽しむ作品じゃないし、風呂敷広げ過ぎ?みたいな感じもしましたが。(^^;
(特に大島さんという人物についてもっと書いて欲しかった。)

『世界の終り・・・』の方がはるかにそして全てが現実離れしているのに、不自然さは感じずにのめり込んで読めた気がします。『海辺のカフカ』は現実に殺人や失踪があるなかでの【終りの世界】だったり、突然現実の町にカーネルサンダースが現れて、とても現実的な登場人物の星野君を助けるなど・・・・・・消化できない感じかな。

突然話は変わるけど、これ15歳には読ませられないでしょ。石原都知事はどう考えますかしら(^^;

|

2010.11.27

読了記録『スプートニクの恋人』

20101120


スミマセンことに、読後何日も経ってしまったので印象も薄らいでおりますが、自分の覚書は残しておこうと思いますので、まっじ「メモ」です。

これは、喪失の物語?ということでいいのかな。
親友を失う話は村上春樹では重要な、何度も用いられているモチーフ。
今回は親友は女性だったのがちょっと違う。

そしてこの女性を愛しているのだから、親友とは言えないけど、彼女は別の女性を愛して、そして忽然と姿を消してしまうので、やはり喪失の物語かな。


最後の万引きをした教え子とのエピソードは?
これが意味深なんだけど、まだ消化できてないなぁ。どう解釈したらいいのだろう。
もう一回読みます。いつか。

|

2010.11.14

読了記録『ノルウェイの森』

201111111


村上春樹・著  『ノルウェイの森』

ほとんど4半世紀前、出版されたときに1度読んでいます。
装丁とタイトルに惹かれて読んだだけで、村上春樹を読んだのは初めてでした。

そして、この作品を読んで以降、永きにわたり村上春樹を避けることとなってしまいました。

当時どうしてこの作品がつまらなかったのだろう。
そして今読み返して、どうしてこんなに感動するのだろう。

不思議な作品です。ネット上でみかける感想にも、私と同じ体験をした人が多くみられます。つまり、若いときによんでもつまらないと・・・

ワタナベ君(主人公)の邂逅という形をとっていることから考えても、いい年になってから読むべき小説なのかもしれませんね。

最初に読んだときは、小説内の人物と自分があまりに遠くて共感も感動も無かったのだと思うのですが、今回読んで見ると、登場人物と当時の自分をとりまく空気が遠いどころが、反対に重なって見える部分がたくさんありました。どういうことでしょう、これは。笑うしかありませぬ。


作品のテーマとはあまり関係ないと思いますが、大学という場がとっても懐かしくなり、あの頃の自由だったはずなのに不自由だった感覚を思い出しました。

本物の小説読んだな~って満足感でいっぱいです。
残りの人生で何冊の本が読めるのか考えたら、もう無駄な本は読みたくない。こういう本だけと付き合いたいってマジ思わせられた小説でした。(残念ながら読んでみないと解からないのよね。)

|

2010.11.11

読了記録『光媒の花』

51jzpjud7l__sl500_aa300_


道尾秀介・著 『光媒の花』
読みました。うーっ、面白かったけど辛かった。

仕掛けとか美しい言葉、描写にはさすが~と唸りましたが、いたたまれなくなるようなストーリーの連続なので、途中で読むのやめようかと思いました。救われる部分が無いわけでもないので、あくまでも作品側ではなく自分側の問題なのですけどね。

子供が辛い目に会うお話は、できたら読みたくないな・・・

|

2010.10.03

読了記録『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

20101002_2


村上春樹プロジェクト、着々と進行しております。そして、熱烈ファンになったとは言いませんが、好きな作家ですね。やっぱりというか流石というか。(^^)

この小説は「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」という二つの小説が各章交互に配置されて、二つの物語が並行しています。もちろん、ただ単純にそうなっているわけではなくて、やがてこの二つの物語の関係性が明らかになってきて、最後に交錯するのか?というところで終わります。

片方ずつまとめ読みしてもそれぞれ面白いのに、この仕掛けは素敵。

読み終わって感じたのは、責任をとるということと状況を受け入れるということ。

「世界の終り」では主人公はあえて終わっている世界にとどまることを選択します。なぜならその世界は自分自身が作り出したのもだから。(←この状況は短く説明できないのです。読んでみないとわからないです。)

「ハードボイルド・・・」の方の主人公は、自分には全く責任のないことを静かに受け入れます。

前者からは「千と千尋の神隠し」を、後者からは「私を離さないで」を思い出しました。


今まで何作か読んできた村上春樹作品のなかで、今のところこれが1番好きかな。


次に控えているのは、私が初めて読んでそしてこの作家はもういいやと思わせた「ノルウェイの森」ですよ。


|

2010.09.12

読了記録『遠い太鼓』

201009122


村上春樹氏がヨーロッパで暮らし、旅をした旅行記風のエッセイです。

おもしろかったー。ただの旅行記ではなくて、村上春樹という人がとても身近にそしてとても好ましく迫ってくる感じでした。その作品だけでなく作家自身のファンが多い、ということが解かった気がします。。。自分も足を踏み入れてしまった感あり。

村上作品の「僕」に惹かれる点として、きちんと生活しているということがあるのですが、作家自身も家を借りて市場で食材を手に入れ料理したり、土地の人と交流を持ったり、ジョギングを欠かさなかったり、観光地を巡る旅行とはまったく違う、文字通りの生活が書かれています。これは度々読み返したい一冊になりました。

快適な滞在とは言えないような事件や状況も多々ある中で、この滞在中に『ノルウェイの森』や『ダンス・ダンス・ダンス』が書かれたというのはとても興味深いですね。

|

読了記録『俺俺』

201009121


偶然手に入れた他人の携帯を使って、その母親からオレオレ詐欺をしてしまうところから物語は始まります。

(でも、この小説を物語と呼ぶのはちょっと違う・・・)

その他人の母親であるはずの人が自宅にやってきて、本物の母親のように干渉してくる。
実家に行ってみれば、見知らぬ男が「俺」としてくらしていて、両親もそれを受け入れている。

(息子を間違える親側の問題、親は自分の希望する息子像しか息子と認めない・・・それに当てはまれば息子は入れ替え可能であり、その像に当てはめるための過干渉ということについての小説なのかな。)

そのうち「俺」はいたるところに「俺」がいることに気づいていく。

(これは男のコミュニケーションべたについての小説なのかな。母と娘だったり、女同士とかだったらこんなややこしいことにならない気がする・・・津村 記久子さんの『ポトスライムの舟』を思い出しながら読み進める。)

「俺」は増殖して世界を埋め尽くし、やがて・・・

(ここまでのスケールの話になってくると、じっくり考えないと解釈できないなぁ。ほっとできるような終わり方だったのは救いだけど。自分のアイデンディディーというものは他者との関係(他者を幸せにすること)においてしか実感できないということでしょうか。)

|

2010.08.24

読了記録『ダンス・ダンス・ダンス』

20100824


『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』の3作品と同じ主人公「僕」の物語なのですが、趣きが大層変わっているので、続編とも言い切れない作品でした。「僕」はごく普通の人だし、自分もそう自覚して生きているのに非現実的な世界へと引き込まれてしまう。(作中で「僕」自身もそう述べています。)いろいろな人物とその死を経て、答えは出ないまま物語は終わります。


特に気になった、登場人物の名前について記録。

主人公は「僕」であるし、元妻の名前も、共同経営者だった友人も、名前が語られることはなく、学生時代の友人は「鼠」。主要な登場人物も「キキ」だったり「ユキ」だったりするのに、「五反田君」という人物が登場します。

この五反田君は絵に描いたような好男子として登場。学生時代は勉強もスポーツも、とにかく何でもできて、自然と周りの人を引き付ける魅力を持っていて、今は売れっ子俳優。もちろん、物語が進行するにつれて読者も「僕」も彼が好きになっていく。

小説も中盤を過ぎたころ、「あれっ?まさか?」という、五反田君に対する疑念がよぎり、言い表しようのないショックを受ける。「いや、それは考え過ぎでしょ。」と疑念を振り払って読み続けるが・・・

彼の愛らしさから最後に明かされる哀しさまで含めて、彼が「五反田君」という笑っちゃいそうな名前だなんて。。。日本中の五反田さんには申し訳けないけど、「五反田君」だなんて、これ以上なく彼に似つかわしくない名前なんです。木村拓哉とか竹之内豊とか反町隆とか、こういう名前だったら納得スルーなんですが、「五反田君」なのですよ。著者は敢えてネーミングしているはずなので、今後も「名前」に関しては注意して読んでいく必要ありですね。

|

2010.08.22

読了記録『羊をめぐる冒険』

20100822


Mプロジェクト3作品目です。

前2作の印象は 美しい写真がちりばめられたおとぎ話を読んだかのようでしたが、この作品は言ってみれば映画!でした。

↓の記事に、
【振り返って、「あれが自分の青春の終りだった」と思える事件、とまでは言わなくても、エピソードが無いと、人は死んだことに気づかない霊のようになってしまうのかも知れません。】
と書いたのですが、本作では主人公「僕」の親友「鼠」が自ら命を絶ってもまだ霊となって、「僕」を謎めいた「冒険」に引っ張り出し、青春の幕引きをさせるかのようなストーリーでしたので、とても驚きました。というか、ある意味予想通り?

映画のようだったと書いたとおり、単純にエンターテイメントとしても読んで楽しかったし、いたるところに深読みをしたくなるメタファーがあって、この作家の海外での評価も納得です。「羊男」とは何を象徴しているのか???

次に、シリーズ最後の『ダンス・ダンス・ダンス』を読んでから、ゆっくり考えてみたいです。

|

より以前の記事一覧